2009年1月24日

特集『ロシア絵本』アップしました。


 古い本には歴史があります。
 この特集の絵本のほとんどは、モスクワにお住まいのマーシャさんから譲っていただいたものです。
 マーシャさんとは偶然知り合い、ロシアの絵本について、メールで何度もやり取りをしました。 

 マーシャさんは、モスクワ郊外のドゥブナという所に、旦那さんと、二人の子供たちと住んでいます。
 子供たちは二人とも大きくなり、小さいころ読み聞かせた絵本は、本棚にしまったままになりました。
 ロシアの家庭では、絵本を捨てたり、売ったりすることは、滅多にしないそうです。
 なぜなら絵本は、本であると同時に、大切な記憶だから。そう、マーシャさんは言います。 
 
 私が日本で古本屋をやっていると言うと、今回特別に、マーシャさんが絵本を譲ってくれました。
 小さなダンボール一杯送られてきた中から、状態の良いものだけを、ここに掲載しました。
 ロシアの家庭から直接送られてきた絵本を、どうぞお楽しみください。 
 
 この方がマーシャさんです。
 モスクワでブティックを営む、ヤリ手の経営者さんです。
 Thank you Masha...

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 特集『ロシア絵本』アップしました。コチラ

 一応このブログで裏話を書き終えてから、特集をアップする予定でしたが、裏話が予想外に長くなってしまい、特集の方が先に完成してしまいました・・・_| ̄|○

 でもそれとは別に、裏話の方は最後まで書くつもりです。

 一体アルカディア書房さんと、このマーシャさんが、どこでどうつながるのか?請うご期待!!
 なんつって。誰も期待してないか(^ ^

2009年1月23日

本とインターネット3 【ロシア絵本特集・裏話】

USSR IN CONSTRUCTION (これは特集の本ではありません)

 さてそんなこんなで、駆込み寺よろしく南青山は日月堂さんに駆け込んだモダン・クラシックの面々であったが、結果的に、この話に興味を持ってくれ(というか同情してくれ)た。早速倉庫から在庫を持ってきてくれる佐藤さん。出てくる出てくる。私がこの連載で欲しかった、あんなロシア本やこんなロシア本が・・・。
 
 これでロシアまで行かなくて済む・・・。

 私とカミさんはほっと胸をなで下ろし、早速本の選定に入った。
 佐藤さんが出してきてくれた本は、USSRが数冊、柳瀬正夢が装丁した大正時代の本、リシツキーの画集、それにロシア絵本などなどであった。こんなスッゴイ本をストックしている日月堂さんを羨ましく思うとともに、ウチがやっているような連載の仕事は、むしろ日月堂さんのような本格の古本屋がやるべきではないか?とチラと思ったりする。
 で、結局選んだのは以下の2冊。

 『動物の話』トルストイ、廣尾猛・訳 湘南書房(1946年)
 『USSR IN CONSTRUCTION』OGIS(1932年)


 この2冊に、ウチが用意したロシアの料理本を足して、今回の連載が完成する!僕らは意気揚々と日月さんのお店を辞したのだった。

 だが最初の連載原稿に、「ロシア語で書いたロシアの本が欲しい」と、いのまたさんからダメ出しが出たのは、前々回書いたとおり。結局僕らの「古いロシアの本」探しの旅は、またも振り出しに戻ってしまった。

 やはり、ロシアに行くしかないのか・・・。

 私の脳裏に、吹雪が吹き荒れるシベリアを、カミさんと二人で本を求めてさ迷い歩く光景が浮かんだ。そこでふと、ある言葉を思い出した。

 アルカディア書房さんに相談してみれば?

 お店で相談しているときに、日月堂さんが言った言葉だ。確かに良いアイデアだ。ていうか、もうそれ以外に選択肢は残っていない。だがしかし・・・。

 アルカディア書房。私が敬愛して止まぬ本格の古書肆。だがこのお店については、若干の説明が必要だろう。なぜなら一般のお客さんで、このお店を知っている人は数少ないだろうからだ(逆にこのお店知っている人は、かなりの通と言える)。

 この古代ギリシャのポリスの名を冠したカッコイイ古書肆は、いわゆる”普通の”古本屋ではない。とはいえ、日本橋の老舗寿司店のような、一見お断りの高飛車なお店でもない。店主は普通に気さくな方だし、電話で予約をすれば誰でも行くことができる(もちろん本も買える)。ただこの古書肆が、普通のお客さんを相手に商売をしていないというだけだ。だから当然、WEB店舗を開設したり、雑誌媒体に掲載されたり、店主が本を書いたりといった”営業”をやらない。良し悪しは別にして、こうした古書肆のあり方が、世界の一つのスタンダードとしてある、ということは知っておくべきだ。海外の本格の古書肆には、アルカディア書房のように、学者や知識人、大学や図書館などの玄人客のみを相手に、本のビジネスをする例が少なくない。こうした古書肆として、わが国にはかつて反町茂雄という人がいた。

 さて、アルカディアさんに相談に行くべきか否か。確かにアルカディアさんとは、同じ古書組合の文京支部に属しているし、面識もないわけではない(ある、というほどでもない)。だが四の五の言ってられる状況でもない。もうここまで来たら、アルカディアさんとこに行くか、シベリアの永久凍土の下敷きになるかのどちらかだ!

 私は思い切って電話をかけてみた。アルカディアさんから「では明日の○時に店に来たまえ。(もっと普通に言われたが、私にはこんな風に聞こえた)」の返事。私とカミさんは、不安と期待を抱きながら、本郷のアルカディア書房に向かった。

(やばい、また)つづく

2009年1月20日

本とインターネット2 【ロシア絵本特集・裏話】

КОНЬ-ОГОНЬ (特集のなかの一冊)

 ぶっちゃけ、古本屋の仕事で一番難しいのは、お客様から「この本が欲しい」と頼まれることだ。
 探してくれと頼まれると、どういう訳か本が見つからない(なぜだろう)。やっと見つけても、頼まれたお客様と連絡が取れなかったり、値段が折り合わなかったり、既にお客様が入手してたり・・・つまりその在庫は不良債権になってしまう(笑)

 私もこの商売に足を踏み入れるまでは、古本屋といえば、いろんな素人の窺い知れない本のコネクションがあって、いざお客様の指令が出れば、魔法のように、たちどころに本を見つけ出す・・・と思っていた。
 ないない(笑)
 「本を探す」というのは、地道で根気のいる仕事だ。市場、セドリ、同業者、それからインターネット。これらの4つを駆使して、とにかくひたすら探す。もし運が良ければ、すぐに見つかるし、運が悪ければ・・・言うまい。

 私の考えでは、お客さまから「こんな本が欲しい」と言われて、すぐに倉庫から何冊か本を出してくる古本屋は、「力のある」古本屋だ。ウチもそうなりたい。このことは、「古いロシアの本」探しで、日月堂さん(青山)とアルカディア書房さん(本郷)のお世話になって、つくづく実感した。

 結論から言って、「古いロシアの本」探しでウチが揃えた4冊の本のうち、2冊は日月堂さんから、1冊はアルカディア書房さんから融通してもらった。ウチが自前で用意したのは1冊のみ。「先輩の胸を借りた」と言えば聞こえは良いが、古本屋として、ウチは白旗をあげたに等しいと、私は思っている・・・。

 前回書いた通り、ウチがやっている連載で、ロバロバ・カフェのいのまたさんから「古いロシアの本を探してください。」と言われ、一番頭を悩ましたのが、「どうやって手に入れるか?」だった。私の頭のなかには、揃えるべき本のリストがおおよそ出来上がっていた。だがUSSRにせよ、ロシア絵本にせよ、入手は極めて困難だし、入手できたとしても非常に高価だ。運良くそれらを入手できたとしよう。だがそれらがいのまたさんの希望に沿わなければ、ウチはジャンル外の高価な在庫を抱え込むことになる。
 いや、後の事は後の事だ。まずはとにかく本を手に入れなければ始まらない。締め切りはないとはいえ、連載の原稿もそう延ばすわけにはいかないのだ。

 私とカミさんは、暇さえあれば、市場、セドリ、インターネットを駆使して探しまくった。何でもない雑本でも、探すとなると見つからない、それがロシアの本となれば尚更だ。遂にはカミさんが、「ロシアに行く!」と言い出す始末(カミさんはときどき、こういう突飛なことを言う)。
 オイオイ。ちょっと待てよ。
 アイデアとしてはカッコイイが、連載の、それも数冊の本のために、現地に飛んでどうする。私の脳裏には、カミさんと二人、土地勘もなく、言葉も通じず、モスクワの赤の広場にポツンと立ち尽くす絶望的な情景が浮かんだ。よし、こうなったら恥も外聞もクソもない。私としては極力避けたかった最後の手段、「同業に頼る」ことにした。

 日月堂さんなら何とかなるかもしれない・・・。

 私は、カミさんと二人、すべてをさらけ出して、業界の大先輩である日月堂さんの知恵を(できれば在庫も)借りることに決めた・・・。

(またまた)つづく

ps:現在お客さまから承っております「欲しい本」リストは、かようにして、日々探しております。どうか気長にお待ち頂けますよう、よろしくお願いいたします・・・。

pps:「ロシア絵本特集」は今週中にアップの予定です。