КОНЬ-ОГОНЬ (特集のなかの一冊) ぶっちゃけ、古本屋の仕事で一番難しいのは、お客様から「この本が欲しい」と頼まれることだ。
探してくれと頼まれると、どういう訳か本が見つからない(なぜだろう)。やっと見つけても、頼まれたお客様と連絡が取れなかったり、値段が折り合わなかったり、既にお客様が入手してたり・・・つまりその在庫は不良債権になってしまう(笑)
私もこの商売に足を踏み入れるまでは、古本屋といえば、いろんな素人の窺い知れない本のコネクションがあって、いざお客様の指令が出れば、魔法のように、たちどころに本を見つけ出す・・・と思っていた。
ないない(笑)
「本を探す」というのは、地道で根気のいる仕事だ。市場、セドリ、同業者、それからインターネット。これらの4つを駆使して、とにかくひたすら探す。もし運が良ければ、すぐに見つかるし、運が悪ければ・・・言うまい。
私の考えでは、お客さまから「こんな本が欲しい」と言われて、すぐに倉庫から何冊か本を出してくる古本屋は、「力のある」古本屋だ。ウチもそうなりたい。このことは、「古いロシアの本」探しで、
日月堂さん(青山)と
アルカディア書房さん(本郷)のお世話になって、つくづく実感した。
結論から言って、「古いロシアの本」探しでウチが揃えた4冊の本のうち、2冊は日月堂さんから、1冊はアルカディア書房さんから融通してもらった。ウチが自前で用意したのは1冊のみ。「先輩の胸を借りた」と言えば聞こえは良いが、古本屋として、ウチは白旗をあげたに等しいと、私は思っている・・・。
前回書いた通り、ウチがやっている
連載で、
ロバロバ・カフェのいのまたさんから「古いロシアの本を探してください。」と言われ、一番頭を悩ましたのが、「どうやって手に入れるか?」だった。私の頭のなかには、揃えるべき本のリストがおおよそ出来上がっていた。だがUSSRにせよ、ロシア絵本にせよ、入手は極めて困難だし、入手できたとしても非常に高価だ。運良くそれらを入手できたとしよう。だがそれらがいのまたさんの希望に沿わなければ、ウチはジャンル外の高価な在庫を抱え込むことになる。
いや、後の事は後の事だ。まずはとにかく本を手に入れなければ始まらない。締め切りはないとはいえ、連載の原稿もそう延ばすわけにはいかないのだ。
私とカミさんは、暇さえあれば、市場、セドリ、インターネットを駆使して探しまくった。何でもない雑本でも、探すとなると見つからない、それがロシアの本となれば尚更だ。遂にはカミさんが、「ロシアに行く!」と言い出す始末(カミさんはときどき、こういう突飛なことを言う)。
オイオイ。ちょっと待てよ。
アイデアとしてはカッコイイが、連載の、それも数冊の本のために、現地に飛んでどうする。私の脳裏には、カミさんと二人、土地勘もなく、言葉も通じず、モスクワの赤の広場にポツンと立ち尽くす絶望的な情景が浮かんだ。よし、こうなったら恥も外聞もクソもない。私としては極力避けたかった最後の手段、「同業に頼る」ことにした。
日月堂さんなら何とかなるかもしれない・・・。
私は、カミさんと二人、すべてをさらけ出して、業界の大先輩である日月堂さんの知恵を(できれば在庫も)借りることに決めた・・・。
(またまた)つづく
ps:現在お客さまから承っております「欲しい本」リストは、かようにして、日々探しております。どうか気長にお待ち頂けますよう、よろしくお願いいたします・・・。
pps:「ロシア絵本特集」は今週中にアップの予定です。